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内容

金管奏者のために 高い音を楽に出す方法 プロは言わない秘策満載
長い音を出すために 簡単な循環呼吸練習法 365日24時間ロングトーン
 効率的な練習時間  効率的な練習時間は1日何分?  「忙しいから練習できない」は下手のいい訳
お約束 楽譜には表現されない暗黙のお約束 これだけでも頭の中が上手くなる!



 


高い音を楽に出す方法
プロは言わない秘策満載


 

1.基本的なこと

 

 そもそも音って何でしょう?高い音と低い音の違いは何でしょう? 

 

(1)高い音とは?

 低い音と高い音、どこが違うのかというと「周波数(振動数)の違い」です。低い音ほど周波数は低く(小さく)、高い音ほど周波数は高い(大きい)。楽器で出すのは「音」であり、音=空気の振動(波)です。この波が1秒間に何回あるか?というのが周波数ですので、高い音ほどたくさんの波を口でつくり出さなくてはなりません。決まった時間に波をたくさんつくるためには・・・経験上分かっているとは思いますが、細かい波にすればいいわけです。高い音を出すということはいかにしてこの波を小さく小さくしていくかということへの挑戦であり工夫なわけです。

 

(2)誰にでも思いつくこと

 輪ゴムをある程度張った状態で指ではじくと「ビーン」という音がします。次にもう少し輪ゴムを引っ張って同じようにはじいてみます。さっきの音が「ビーン」だとしたら今度の音は「ピーン」なはずです。つまり輪ゴムを引っ張ることで「高い音になった=小さい波がたくさんできるようになった」わけです。じゃ、唇を横に引っ張って輪ゴムを引っ張ったような状態すすれば高い音が出るのではないか?と思いつくわけですが、ま、それでも出ます。引っ張る力が強ければ強いほど高い音になるはずで、あとはできるだけ強く引っ張れるように唇の周りの筋肉を鍛えていく・・・。興味があったらやってみてください。でも唇の周りの筋肉なんてたいしたことはないのできっと挫折すると思います。

 輪ゴムの音を「ピーン」にするもう一つの方法は、輪ゴム自体を伸びにくい強いものにするというものがあります。同じ長さだけ引っ張っても強いゴムの方がより高い音が出るはず。でも唇自体を強くするってできるんでしょうか?もしできたとしたら、高い音はとりあえず出ても、かすかすの使えない音になることでしょう・・・。ということで、高い音を出すというのはそういう単純なことではなくて、とてもとても複雑な技の重なり合いなのです。その技の基本と応用を確認していきましょう!!

 

 

2.普通の知識

 教則本や紙上レッスンなどにも書いてあることですが、まあ基本的な事として再確認してください。

 

(1)唇の開き方・口の中の容積・顎の使い方、息の角度、息のスピードと温度

 この辺の問題は全部一緒に考えないと上手く説明できないので、まとめて書きます。まず唇の開き方ですが、高い音ほど小さいのは分かると思います。でもそれはただ「唇を閉じる」ということだけではありません。唇を閉じるということは同時に口の中の容積を小さくするということ。口の中の容積、ま、シラブルというやつですが、低い音から順に「ト」「トゥ」「テ」「ティ」「ヒ」と発音するといいと昔々教わったことがあります。どの音からどの音までがどの発音か?なんてことは練習して自分で感じ取ってください。意識するのは大事なことなのですが、これはごちゃごちゃ考えるよりも自然にできてしまうものだと思います。

 次に息の角度ですが、これは結構重要!!低い音ほど息の角度は水平に、高い音ほど急角度(下に)です。High B とかそれ以上の音なんて本当に急角度で、たぶん角度で言うと70〜80°くらいになっているのではないかと思います。逆にペダルトーンなどではほぼ水平もしくはほんの少し上向きになっているかも。唇の形を変えなくてもこの角度を変えただけでかなり音域が広がります。ではどうやって角度を調節するかということなのですが、「顎の出し入れ」です。息を出しながら顎を引いていってみてください。嫌でも息に角度がついていき、引けば引くほど急角度になっていきます。つまり高い音の時には思いっきり顎を引けということです。高い音のイメージは、高いビルの上から下を見下ろすように!という感じです。高いビルの屋上から下を見下ろす時に顎を上げる人はいないでしょう。恐怖もあり、おそらく思いっきり顎を引いてしまいますよね。高い音を吹く時もちょうどそのような感じです。ただ腰まで引けてしまっては困りますが・・・。

 当然このような高音域用の角度のきつい息を出すと、息のスピードは速くなり、同時に冷たい息になってきます。熱いラーメンを冷ますための「フー、フー」という息ですね。その反対に低い音の息は暖かく太い息。冷たい手を温める息ですね。これも自然にできてくるものだと思います。

 

(2)マウスピース内の唇の位置

 高い音というよりアンブッシュアそのものに関係することですが、結構微妙なもんだと思います。小さ目の楽器ではほぼ真中がいいとか、TbやEuph、Tubaなどでは下3分の1くらいの所に上下の唇の境目が来るといいとか、プロは一般的で実は誰にもあてはまらないことを述べています(レッスン相手が不特定多数の紙上レッスンなどではしかたないけど)。まあ、大体はそこらへんが標準なのでしょうしその辺でいい音がでる人が多いというのは事実かも。でも私などは、真中よりも結構上に唇がありそれで何とかなっているし、その方が高い音が断然でやすいです。

 左右に関してもそりゃ偏りがなく真中で演奏するのが見た目にもいいとは思いますが、骨格や歯並びで一概にはなんとも言えません。なんか上下左右に微妙に位置をずらしながら普通に吹いてみて、一番よい音がする所がその人にとって一番よい唇の位置なのではないかと思います。一番よい音がする位置=高い音が一番楽に出る位置です。まず間違いなく・・・

 勘違いして欲しくないのは、出す音域によって唇の位置は変わらないということ。高い音のときはこの辺で低い音の時にはこのへんを使って・・・ということではなく、一番よい音がする場所ですべての音を演奏するということです。いちいち唇の場所をマウスピースの中で変えていたのでは、早いパッセージにはまったく対応できなくなります!

 

(3)位置よりも大事なこと

 これもアンブッシュアそのもののことですが、唇の位置よりもっと重要なのは「音域によって、唇の内側と外側のどの辺をどんなバランスでどのように使うか??」ということだと思います。いろんな人に楽器を教えていると、これが上手くいかないために音がこもったり逆にかすかすいったりしているようです。私は金管楽器なら何でもそれなりに音が出るのですが、それはこのポイントを知っているからだと思います。この点を直接書いた教則本は見たことがないし、誰かに楽器を習ってもあまり重要視する人がいないような気がします。それはこの点もまた自然に覚えていくものだからだとは思うのですが、だったら最初から指摘してあげた方がかなり上達への近道になるのに・・・と思います。

 一般的な話をすると、マウスピースの小さい楽器の人は唇の内側を使いすぎて「プスプス・・・」という音になりがちで、トロンボーン以上の大きさのマウスピースを使用する楽器では、唇の外側を使いすぎて「プオー」とこもって響かない音になっている人が多いようです。その傾向はとくに女性に多い。なんでかな?

 唇を何もせずにマウスピースにつけると、トランペットやホルンなどではマウスピースが小さいために自然に内側を使わざるを得ない状況になります。確かに音は出るのですが、内側はやわらかいのでただでさえ小さい波をたくさんつくらなければならない楽器なのに、それを上手につくることができません。ゆるゆるのゴムでいい音を出そうとするために無理して唇を横に引っ張ったり上下に押しつぶしたりしなければならず、結果的に音はプスプス、さらにすぐに疲れてしまいます。小さいマウスピースを口につけて演奏するためには、その前に小さいマウスピースに合う口の形をつくる必要があり、そのためには唇の厚さに応じ少しだけ唇を内側に巻く必要があります。この唇を巻くという方法は、後でも書きますが「音(特に高音)を出すために最もやってはいけない方法」の1つなので、どうしても誰も教えようとしません。確かに生まれつき唇が薄めでトランペットやホルンを吹くために生まれてきたような人というのがいるものです。たまにですが・・・。でもそうじゃない人の方が圧倒的に多いわけで、そうじゃない人がそうである人と対等に勝負するためには、何か作戦がないとね。要するにやり過ぎない程度に自分でその内外の感じをつかんでいくことは、とてもとてもとても重要なことだと思うのです。

 逆に大き目のマウスピースをそのままの唇で吹こうとすると、たいがいの人は唇のほとんどの部分がすっぽりマウスピース内に収まりきってしまいます。そのために唇の内側を使おうにもマウスピースの上下のリムに唇が外に広がるのを押さえつけられてしまい、結果的に吹けば吹くほど唇の外側を使ってしまう(特に高い音では・・・)ことになります。唇の外側を使うことになると、その部分で最終的に息が口から外に出るときに、息の流れが非常に悪くなってしまいます(※1)。イメージ的にはこんな感じかな?例えばA地点での交通渋滞を解消するためにすごく広い道路をつくったとします。ところがA地点にはどうしてもそこを通らなければその先へ行けないという細い細い橋があったとすると・・・当然橋のところまでやってきた車で橋の所は大渋滞しますよね。広い道路も重要ですが、最初にその橋を太いものにしておかなければならなかったわけです。多くのプロは「呼吸法」の事をいい、これが重要なことを力説しますが、その前に出口である唇を何とかしておけということです。大きいマウスピースの楽器を吹くには、意識して唇の内側が振動するよう、少し口を出し気味にしてからマウスピースを口につけるなどしなければなりません。トロンボーンやユーフォでは軽いキスをする感じでしょうか。人差し指を出してその指の腹の部分に軽くキスしてみましょう。そのままの唇でマウスピースを当ててみてください。唇の内外の感じも開き方も大体ちょうどよい感じになると思うんですけど・・・。濃厚すぎるキスは楽器以外のものとしてください。あるいはこんな方法もあります。ストローを加えて何か飲んでみてください。そのストローが上下の唇に当たっている部分、そこが唇の振動して欲しい部分です。バズィングの前にストローを加えてこれを意識し、ストローを取ってまだその唇の感覚が残っているうちに音を出してみてください。私は調子が悪くなってくるとよくこれをやります。

 高音を出すこととは直接的につながっていないのかもしれませんが、結局、よいアンブッシュアを築くことが楽できれいな高音を出すことにそのままつながっているということらしい・・・。

 上下の唇のバランスですが、(2)で書いた息の角度を気にしていくとこれは自然にできてしまうかも。高い音を出すためには顎を引き急な角度の息を出すわけですが、そうすると自然に上唇のちょっと内側を使ってしまうことでしょう。逆に低い音を出そうと顎を出し気味にして水平近い息を出すと、自然に下唇の少々内側を使ってしまうことになります。せいぜいこれくらいの感覚でよいのではないでしょうか?

 

 

3.ちょっと応用

 さっきと逆のことを書いてしまいそうな気がしますが、最後に大事なのはやはり呼吸法?というか、息の出し方と使い方です。

 

(1)高い音と息の出し方の関係(とても感覚的なもの)

 人に楽器を教える時には、短時間に確実に吸収できる方法をある程度教える必要があるので、どうしてもアンブッシュアの話をしてしまいます。でも多くのプロが言うように、なんと言っても大事なのは呼吸法です。ただ呼吸法と言い切ってしまうと、中学生や高校生は「呼吸法」ばかり練習して肝心なアンブッシュアや楽器とのトータルバランスを忘れてしまいます。忘れて欲しくないのは「呼吸法は呼吸するのが目的なのではなくて、よい音を出すための方法だ」ということです。つまり呼吸法は「手段」なのであり「目的」ではない!!ということです。だから、私に言わせれば、呼吸法ではなく呼吸法なのです。

 さてそんなわけで、さっそく音域と息の出し方の関係を書いてみましょう。まず口を間抜けに開けてください。間抜けに・・・というのは難しいですね。ちょうど「う」と「お」の中間くらいの開け方です。そしたらそのまま何か声を出してみましょう!なんとも言いがたい音(「うぉぇー」という感じ)が出て、口からよだれが垂れそうになりましたか?では次に、下っ腹に力を入れて横隔膜を少しずつ上にあげながら、同じように発音していきましょう。そうすると、全く口の開き方は全く変わらないのに「うぉぇー」から「ぅえぃー」になり、さらに力を強めていくと口を開いたままでほとんど「いー」に近い音を出せるはず。舌の奥のほうが自然に上がってきますね、これが低音から高音への息の使い方の変化です。これを楽器を吹きながらやってみると、唇の形を全く変えなくても2オクターブくらいは簡単に上がるはず。最初からそう上手くはいきませんが、この感覚をつかむと1時間や2時間くらい高い音ばかり吹いても、決して疲れなくなります。そりゃそうでしょ、唇はキスした時のままなので、力が入っていないのですから。多くの人は高い音を出そうとすると唇の周りにめいっぱい力を入れて、相手の頭をこれでもかと自分の方に引き寄せて(つまり楽器を強く唇に押し付けて)濃厚でしつこいキスをしようとするのです。本人はいいかもしれないけど、そんなもの、他人に見せつけたり伝えたりするものではないですよね。精一杯感情を込めて下腹に力を入れ、めいっぱい気持ちをこめて軽いキスをする、これが究極の呼吸法ですね。けっしてプロは教えてくれない方法です。

 でもこのキスはやはり「手段」でしかないので、後は上に書いたように様々なことを「実践」してみてください。なにか1つだけ上手でも役には立たず、すべての方法をバランスよくコントロールしていくこと、それが大事だし、そのために練習を重ね試行錯誤してください。

 

 

4.その他

 

(1)マウスピース

 比較的努力もせずに楽に高音を出せるようになるとしたら、それはマウスピースの研究だと思います。これも経験上分かっているとは思いますが、小さくて浅いマウスピースは高音向き、大きくて深いものは低音向きです。ただ高音を出したいからといってむやみに小さいものや浅いものを使うのは×。音色が薄っぺらでぱりぱりしたものになってしまいます。自分の許容範囲の音色を得られる大きさや深さの中でも、かなりいろいろなマウスピースが探せると思います。

 ますリムの厚さですが、薄いものはリップスラーが楽だけど疲れやすく厚いものは疲れにくいけど柔軟性にかけます。また厚さだけではなくリムの形が大きく影響します。やたらとリムが丸いマウスピースがありますが(ペラントゥッチとか)、だいたい高音での踏ん張りが利きにくく疲れやすいです。もちろんその分、柔軟性が増すので使用者は割りと多いのですが。逆にやたらに角張ったリムのマウスピースでは(デニスウィックなど)、踏ん張りが利くんだけどリップスラーでギクシャクしたり・・・。なんといっても本人の唇の形と目指す音と好みがあるのでなんともいえません。ちなみに私は昔から割りとリムのきついものを使っています。小中学生の頃はヤマハ46、中3〜高校1年くらいまでデニスウィック5AL、高校2年〜大学2年くらいまでバック3G、その後デニスウィック4ALが長く続き、今はティルツ4Gです。その他にも20本以上のマウスピースを購入してきましたが、大体どれも半日も吹かずに眠っていたり人にあげたり・・・という感じです。

 せっかく自分の口に合って吹きやすい!と思ったマウスピースでも、楽器につけると思ったほどよくないものが結構あります。マウスピースがたくさん並んでいるお店に自分の楽器を持っていって、全部吹いて気に入ったのがあったら買う!!これが基本ですね。自分でも吹きやすく楽器もよく鳴る・・・そんなマウスピースが高音を出すためにもっとも楽できるマウスピースだと思います。

 

(2)やってはいけないこと

 先ほども書きましたが、唇を結構巻いて(必要以上に)音を出すと、とてつもなく高い音が出ます。唇を壊してしまうので今は決してやりませんが、普段出せる最高音の1オクターブ上位まで出るんじゃないでしょうか?私が高校のとき、友達が編曲したある曲の中にソロがって、最高音はなんと High B の上の A の音でした。小さいマウスピースを使ったのは当然ですが、それでもそんな音出るはずがなく、この唇を巻く方法で仕方なく出しました。定演の演奏を聞いてみると音にならないような音ですが外さずに一応出ていましたので、やってはいけないとは言いながら、そういう特殊事情のときだけ一生に1度か2度使ってもいいかもしれません・・・。



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簡単な循環呼吸練習法
365日24時間ロングトーン


 

「鼻から吸いながら口から吐く」のが循環呼吸ですが、私たちの体の構造上、「吸う」と「吐く」を同時に行うことは不可能です。だから多くの管楽器奏者が行っている(私もかなり使いますが・・・)「循環呼吸」は、循環しているように見えて本当は循環していません(笑)。だから練習さえすれば、誰にでもできるようになります!本当ですよ!!それに、まずそう考えることが、上達への近道になります。

 

 全く分からない人のためにあえて説明しますが、循環呼吸のやり方は次のとおりです。

 

@     普通に息を吸う。

A     普通に息を楽器に吹き込んで音を出す。

B     息が吸いたくなってきたら、吹きながら頬に息を溜める。ほっぺたを膨らましながら演奏しているような状態になる。

C     舌の奥の方を使い、肺から上がってくる息の流れをせき止め、その瞬間から頬に溜めていた息を口から出すようにする。

D     Cの状態で演奏できる時間はせいぜい1・2秒なので(楽器にもよりますが)、その間に鼻から肺に空気を取り込む。

E     口の中の空気がなくなる前に、口の奥の方の舌を解放し、肺からの息が口から出て行くようにする。

F     BからEを繰り返す。

 

理解できましたか?

まずはこのからくりを理解してください。決して「吸いながら吐いている」のではなく、「口の中に溜めていた空気を出している間に吸う」のです。吸うと吐くが同時に行われる瞬間はありません(笑)。わかりやすく言うと、「前職を辞めて、貯金で生活しながら次の仕事を探し、貯金が尽きる前に再就職する!」という感じでしょうか?

 

さて、これを簡単に会得する練習法ですが、一般的なものも含め、私が思いつくものをいくつかあげてみたいと思います。

 

<簡単な循環呼吸練習法>

その1 コップに水を入れストローをさし、ストローに息を吹き込んで、「ぽこぽこ」が途切れないようにする。

その2 コップやストローを準備するのが面倒な場合、口の前に手を当てて、息を吐き続けてみる。

その3 その1や2ができるようになったと思ったら、リコーダーでやってみる。リコーダーでも一定の強さ・音程・音色で吹けるようになったら、自分の楽器でやってもほぼ問題なく出来るはずです。

 

 もっと凄い練習方法を期待していた人がいたら、ごめんなさい。私自身、循環呼吸のやり方を読み、実際にやってみたらすぐに出来てしまったので、あまりいいアドバイスをすることができません。先ほども書きましたが、一番の上達法は、「吸いながら吐くのではない!」ということを、しっかり理解することです。



 

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効率的な練習時間は1日何分? 「忙しいから練習できない」は下手な人のいい訳


 学生の方に比べ、一般の方の練習時間はかなり限られています。私としては、大人になって就職し、家庭や子供を持ちながら楽器を続けているだけでも素晴らしいと思っていますが、それを理由に、練習できないという言い訳は通用しないとも思っています。だって、好きで楽器を続けているんでしょう?だったら、何としたって練習する時間を生み出すものだと思うのです。頑張って仕事を早く切り上げることも可能でしょうし、家事がスムーズにいくよう家族みんなで協力し合うよう話し合ったり、ちょっとだけ寝る時間を削ったり・・・。何とかひねり出した貴重な時間で、実際に楽器が吹ければ最高ですが、それが無理でもバズィングだけやったり、マウスピースを口に当てて演奏する際の口を作るだけでも立派な練習になると思います。また、楽譜を見たり音源を聴いたりしながら指をさらうこともできるし、歩くテンポに合わせて曲を口ずさんだり、リズムを考えたり・・・。やれることは数限りなくあります。

 先日、ある吹奏楽団の練習に伺った際、「1日10分でもいいから、音楽のための時間を持ちましょう!1日10分でも、1年つづけたら60時間以上になるのだから。」という話をさせていただきました。確かに60時間はすごいのですが、そう言いながら、「じゃあ、効率的な練習時間って1日何分なんだろう?」という考えが浮かびました。そこで、ちょっと調べた結果をお知らせしたいと思います。

 まず、なんで毎日練習した方がいいか?ということですが、これは、ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスの発表した「忘却曲線」というものから理解できます。まあ、皆さんも経験上お分かりかと思いますが、人間はなかなかの忘れん坊なのです。


この結果は無意味な3文字の音節の記憶保持能力を、時間の経過とともに記したもので、練習による効果とは一概に比較はできないのですが、何かをやった時から1日も経過すると、70%近くが忘れ去られてしまうという結果を示しています。この減少分を補ってやらなければ、自分の演奏レベルは低下していくことになります。

では、どの程度のことをどれくらいの頻度でやれば、現状維持(あるいは上達)できるのでしょう?

これも、その人自体や練習方法の内容によってかなりの差が生じることでしょうが、カナダのウォータールー大学の研究結果に次のようなものがありました。


 つまり、前日の練習から1日以内に10分程度の練習を行うと、記憶がほぼ100%まで回復するという結果です。
素晴らしい!!これなら何とかやれそうじゃないですか!!
しかも、私が経験上感じていた、「レベルを落とさないためには、次の練習までの間を24時間以上空けない!上手くなりたかったら、12時間以上空けない!」という考えも、あながち間違えではないことが分かりました。

どうです?
今のあなたには、1日10分の時間を作ることすら無理ですか?本当に好きなことのために、1日10分の時間をささげてみませんか?

 

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楽譜には表現されない暗黙のお約束
これだけでも頭の中が上手くなる!

   

分類 原則 補足
音符 8分音符が2つ以上連続すると、必ず急ぐ
音符 音形には3つの時代がある。 @すべての音がテヌートの時代
Aすべての音が短い時代
B正しい音形で吹ける時代
音符 出だしが合わせられない人は、予備拍で脳みそがサボっている。
音符 休符は休みではなく、音を出さない音符である。
音符 音が1拍以上伸びる場合、その音をまっすぐ吹くということはほぼありえない。
音符 上手いというのは、音は出すことが目的ではなく、出した音をどのようにコントロールするかということである。 「音は自分が生んだ子どもと同じ」(安西先生)。生むことよりも育てることが大事!!
音符 音を1拍以上伸ばしている時には、その背後で誰かが必ず動いている。
音符 連符は必ず大きめに演奏する。 拍子にあえて反抗するのが連符。作曲者が連符を使うのは、何かを強く表現したいとき。
音符 アウフタクトは大きめに演奏する。 アウフタクトは、小節を超えて作者が何かを訴えるための手段。
音符 シンコペーションの真ん中の音はアクセント
音符 スラーの最後の音は短く
音符 伸ばしの後に動いている音があるときには、伸ばしの音の最後の部分の息のスピードを上げる。
音符 普通の人は、クレッシェンドとデクレッシェンドのかかりが早すぎる。
音符 長い音を同じ音量で吹いていると、普通の人にはややデクレッシェンドしたように聞こえる。 音の後半の息のスピードをやや上げてやると自然に聞こえる。
音符 バンドの音色を統一させるには、つぎの4つの要素が必要。つまり音は4次元の構造をしている。 @出だしを完全にあわせる。
Aピッチを完全にあわせる。
B音形を完全に合わせる。
C楽器間のバランスを崩さない。
音符 様々な調のスケール練習には、指回しと譜読みの速さを鍛える意味はあるが、和音を合わせる練習の意味はない。
音符 フルート、サックス、ユーフォは、ビブラートをかけなくてはいけない楽器であり、かけられない奏者は楽器を吹けたことにならない。
音符 和音の中でビブラートをかける場合は、主旋律だけにするか、完全に同じビブラートで吹くようにする。ただしサウンドを広がらせるためにあえて全員でかける場合もある(ブラスバンドなど)
音符 音符には距離があり、自然な放物線を描く場合が多い。シンコペーションや付点の付く音符などは、大体の場合、距離が足りずに失速する。
音符 リード楽器に「ダブルタンギング」「トリプルタンギング」は出来ないというのは大嘘だ。
音符 リズム感は99%が生まれつきのものである。リズムの分からない人にはどう説明しても絶対に分かってもらえないから、感覚でとれるようにするしかない。 休符にないはずの音を足してその音だけ音を出さないで演奏するとか、音符を細分化して書かせ、それをタイでつないで書いておく。
指揮 指揮は音の出だしを示しているものではなく、音楽の流れを示している。
指揮 バンドの音量は個人の音量と人数とは比例しない。 音量を大きく聞かせる最大の方法は、ピッチを合わせること。
指揮 大きな音を出すバンドは、必ずしも大きな音は出していない(心理的な作戦がある)
指揮 根音と5音を強調すると、ピッチのあうバンドと思われ、3音を強調すると、音楽に色がつく。
指揮 同じフレーズが何度か繰り返される場合、通常は回毎に大きくしていくか、もしくは小さくしていく。
指揮 スコアは真上からだけではなく、下から覗いてみる。下から覗いてみて黒っぽい曲は、大体いい曲である。 フレーズ間のつなぎがしっかりしているので、上手に演奏できる。
指揮 上手いバンドの中で練習すると上手くなるのが早い。バンドが下手な時には、上手いCDに合わせて練習すると、上手くなる。
指揮 スコアに書いてある音を全部吹かなくても、ない音まで聞こえさせる方法がある。 詳細は極秘
テンポ テンポが速い曲はさらにテンポが速くなり、遅い曲はさらに遅くなる。
テンポ 音が大きくなるとテンポは遅くなり、小さくすると早くなる。
テンポ ブレスの後にアインザッツが合わない人間は、ブレスをしている時に思考回路が停止している。
ピッチ ピッチには3つの時代がある。
@楽器に息が入らず、息のスピードも遅く支えもないため、すべての音が低くなる。
A音が出るようになって、自分が目立ちたいと吹きすぎるため、ほとんどの音でピッチが上ずる。
B純正調を理解し、きちんと調節しながら演奏する。
ピッチ スケールを下からやると、一番最後の音が高くなる。 音が目線よりも上に行くので、一番最後の音の高さが正しく把握できないため(より高い音に感じる)
ピッチ スケールを上からやると、一番最後の音が高くなる。 口やのどやおなかを開くという準備をしないため、高い音のアンブッシュアのまま低い音を吹いてしまうため。
ピッチ 多くの調で和音の練習をすることにはあまり意味がない。 1つの調でちゃんと合わせられるバンドは、他の調の和音も合う。
ピッチ 長短3和音以外の練習はあまり意味がない。
ピッチ 絶対音感は鍛えれば育つ。相対音感も鍛えれば育つが、鍛えても治らない人は生まれつきのものだから、諦める。
ピッチ チューナーは個人練習で使用するもので、合奏の際に使うものではない。 合奏の時にチューナーで音を合わせるバンドは99%が下手だ。
ピッチ 合奏時のチューニングは、楽器の音を合わせるのではなく、頭の中の音を合わせるもの。 チューニングには1人1秒あれば充分。
ピッチ チューニングした音以外のすべての音はピッチが合っていない。


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