ネパールで「White water rafting」と呼ばれている川下りは、ゴムボートやカヤックで氷河の白い水が激しく流れる川を下って楽しむスポーツの事を意味している。おそらく、ネパールは、世界でも有数のラフティングがおもしろい所である。ヒマラヤの氷河から流れてくる激しい流れを下るのは、周りの自然にとけこめると共に、他にはないスリルを味わう事が出来る。ラフティングこそ、ネパールの滞在のハイライトになる経験だ。

ネパールの川はラフティングの難易度に応じて6段階に分類されている。レベル1はプールのようなやさしい川で、レベル6は命懸けで取り組む必要のあるきわめて難しい川である。レベル4が初心者にとって、それほど危険ではなく、しかしチャレンジングな川である。レベル5はかなりの経験者向けである。以下にポピュラーな川を紹介する。

トゥリスリ（Trisuli） (レベル3+)は、カトマンズに近い事と、道路のアクセスがよいので、ネパールの川では一番ポピュラーであり、たくさんの旅行会社がトゥリスリでのラフティングのツアーを運営している。また、川下りだけでなく、ポカラやチトワンへのツアーとセットになっていることが多い。初心者にとってはとても楽しめるコースであるが、経験者には物足りないかもしれない。

カリ・ガンダキ（Kali Gandaki）(レベル4 - 4+) このコースは、山の奥深い大小の渓谷の速い流れを120キロ、5日間にわたって下っていく旅である。ゴージャスな原生林と山の景色を楽しむ事が出来る。このコースはポカラからの往復となる。トゥリスリよりもエキサイティングなコースである。

ボテ・コシ（Bhote Koshi） (レベル4 - 5) このコースはカトマンズから3時間の距離にあるが、きわめて興奮するエキサイティングなコースである。2日間をかけて、26キロにわたる巨石の連なる迷路のような峡谷を水飛沫にぬれながら下っていく。水着でないとやっていられない所である。

マルシャンディ（Marshyangdi） (レベル4 - 5)は比較的新しく開発されたコースである。ポカラからスタートするこのコースは、四日間かけて、アンナプルナの渓谷の泡立つ流れを下っていくものである。

カルナリ（Karnali） (レベル4 - 5) はネパールの最西部にあってネパールで一番長い川である。この川へは、タライ平野のスルケット（Surkhet）から徒歩で二日かかる。前半の90キロは、狭い峡谷を飛ぶように下るもので、その流れの速さは世界でももっとも速い所の一つである。後半の90キロは、美しい景色と野生動物を楽しむ事が出来る。また、たくさんの魚もいる。このコースの周辺はまだほとんど人が入っていない自然が残されている地域である。

スン・コシ（Sun Koshi） (レベル4 - 5) は、ネパールで二番目のラフティングが実現された川である。カトマンズから3時間の所からスタートできるの。またスタート地点とゴール地点にしか、道路が通じていない。270キロの距離を8日から10日かけて下っていく。3日目に通過する地点は最高難易度に近い流れの速さであり、残りの区間も決して楽に通り抜けられるものではない。はじめから最後まで、川の水は白く濁ったままである。