食塩水の凍り方についての研究
1.研究の動機
食塩水は凍りにくいといわれるので、本当に凍りにくいかどうか詳しく調べてみようと思った。
2.研究のねらい
(1)食塩水を凍らせた時の様子を調べる。
(2)食塩水の濃度を変えて凍る様子の違いを調べる。
(3)食塩水を冷やし、凍らせた時の食塩はどうなるかを調べる。
3.方 法
(1)食塩水100gに対し、食塩を0.1g、0.5g、1g、5g、10gまで加え、いろいろな濃度の食塩水を作り、冷凍庫で凍らせ様子を調べる。
(2)食塩水を冷やし、凍っていく途中での食塩の様子を調べるために食塩水全体の1/3が凍った時、全体の2/3が凍った時、全てが凍った時の液体中の食塩の量を調べる。
4.結 果
(1)濃度の違いによる食塩水の凍り方について、100gの水に食塩を10g、5g、1g、0.5g、0.1g加え、いろいろな濃度の食塩水を作り、冷凍庫内に一晩放置した場合
加えた食塩 食塩水の様子 10g まだ、凍っていない部分があった。 5g 氷の中に線のような模様がなかった。 1g 氷の中に細かい模様があった。 0.5g 氷の中に線のような模様があったが、短かった。 0.1g 氷の中に線のような模様がたくさんあった。
(2)約1.8%の食塩水(水295g+食塩5g)を作り、冷凍庫で冷やした場合
→ 液体部分を加熱させ、食塩を取り出し、その質量をはかる。
状態 液体部分の質量 取り出した食塩の質量 液体部分の濃度 冷やす前 300g 5g 約1.8% 全体の1/3凍った状態 200g 4.3g 約2.2% 全体の2/3凍った状態 96.5g 3.9g 約4.0% 全部凍った状態 − 食塩の結晶が氷の上に出ていた −
5.考 察
(1)食塩水は濃度が高いほど凍りにくい。
(2)食塩水を冷やして凍らせると、水だけが凍って、食塩は液体の部分に残る。
(3)全部凍らせた状態になると食塩の結晶が出てきて、水(氷)と食塩が分けられるのではないか。