きれいな結晶を上手につくりたい

〜 きらめく結晶や大きな単結晶をつくるには 〜

 

 


1.研究の動機

2.研究用具

3.研究方法

4.研究結果

5.考察

6.反省と感想


 

1.研究の動機

 今年度の修学旅行の班別研修で、「塩の科学館」に行ってきた。その中で、塩の結晶がたくさんついた船の模型が印象的だった。また、2年生の中の数名が、夏休みの自由研究で大きな結晶づくりに取り組んだが、必ずしもうまくは行かなかった。そこできれいな結晶や大きな単結晶をつくってみようと思った。

 

2.研究用具

  ミョウバン、氷砂糖、ビーカー、温度計釣り糸、カメラ、

 

3.研究方法

(1)きれいな結晶をつくるために、ミョウバン水溶液の中に糸を巻いた木の枝を入れる。また、氷砂糖の水溶液に氷砂糖を入れる。

(2)枝にミョウバンの結晶をうまくつけるには、ミョウバンをどのくらいの濃度にすればよいかを、濃度を変えて行ってみる。

(3)大きな単結晶をつくるために、きれいな種結晶を使ってお湯の中でゆっくり冷やしてみる。

 

4.研究結果

(1)について

 最初は、溶液濃度が濃いほど大きくきれいな結晶になるだろうという考えで、ミョウバンの方は、水500gにミョウバン150gを温めながら溶かし、糸を巻いた木の枝を入れた。氷砂糖の方は、水500gに氷砂糖150g溶かした溶液に、氷砂糖を1つつるした。その結果ミョウバンの方は枝についたものの、80gにもなり、きれいというより不気味になった。また砂糖の方は単結晶をそのまま大きくしたように結晶し、縦4.2cm、横5.5cm、 質量58gにもなった。

写真1 ミョウバンの結晶 写真2 氷砂糖の結晶

(2)について

 水500gに入れるミョウバンの濃度を変えて結晶をつくってみた。125gの時は、枝全体に結晶がついたが、やや多すぎた。

ミョウバン[g] 結晶[g]
125g 78g
100g 35g
75g 4g
50g 0g
 

写真3 ミョウバン125g

 ミョウバン100gでは、枝全体に結晶が出来ないことがわかった。そこで、ミョウバン125gで時間を測ったところ、溶液の温度が50℃になってから2時間ほどで、枝全体にきれいに結晶が出来ることがわかった。もう一度同じ条件で実験をしてみたが、やはり2時間できれいに枝全体に結晶が出来た。

写真4 最初の結晶

写真5 2回目の結晶

(3)について

 大きな単結晶をつくるために、まずは飽和水溶液を3日間バットにあけて放置し、形がきれいなものを採集した。それを瞬間接着剤で釣り糸につけ種結晶とした。ミョウバン100gを水500gに溶かし、完全に溶かした後、水溶液の温度が50℃になったところで、種結晶を入れた。液温をゆっくり下げるために、発泡スチロールの容器に50℃のお湯を入れ、そこにビーカーを入れた。

 次の日にできた結晶は、18g、24g、28g、34gの大きさとなった。小さな2個は単結晶として非常にきれいな形をしているが、大きな2個は、種結晶だけでなく、釣り糸の別なところにも結晶が出来てしまった。

写真6 きれいな単結晶

写真7 種結晶以外にも

結晶ができてしまったもの

 同じ水溶液を使って、足りなくなったミョウバンを加えて新たに単結晶をつくってみたところ、14g、16g、18g、18gの単結晶が出来た。この作業をきれいな単結晶で繰り返せば、より大きな単結晶が出来るであろう。

 

5.考察

(1)ミョウバンの場合、木の枝全体に結晶をつけたい時は、水500gあたりミョウバン125gを完全に溶かす。その液温が50℃になった時に木の枝を入れると、2時間でできあがる。

(2)きれいな単結晶をつくりたい時は、水500gあたりミョウバン100gを入れて完全に溶かす。その液温が50℃になった時に種結晶を入れて一晩おくと、14gから18gの単結晶が出来る。ただし、釣り糸が汚いとそこから結晶が出来てしまうのでできるだけきれいにして実験を行う必要がある。

 

6.反省と感想

 濃度や温度に気を配り実験を行うことが出来た。これからはミョウバンだけでなく食塩を使ってモールにきれいな結晶をつけてみたいと思っている。

 

前へ

ホームへ