バクタプール(BHAKTAPUR)

バクタプールとはサンスクリット語で「信心深い者の町」を意味する。この町は別名バドガオン(Bhadgaon)とも呼ばれる。この町は紀元889年アナンダ・デヴ王によって作られ、現在はカサ・クヌスン川とハヌマンテ川に挟まれた4平方マイルの面積がある。市の中心街にある建物はマッラ王朝の往時を繁栄と職人たちのすばらしい技術をしのばせる者である。ダルバール広場には「55窓の宮殿」があり、ここにはバクタプールの歴代王たちが住んでいた。バクタプールは12世紀から14世紀にかけてはカトマンズをパタンを支配するほどの勢力があった。

広場へ通じる門はブパティンドラ・マッラ王 (1696 to 1722)によって建てられた。ブパティンドラ王は建築技術に長けており、この門は今の時代では大きいとはいえないかもしれないが、当時はカトマンズ盆地の中でも最大級の門で、敵兵から恐れられていたという。確かに非常にしっかりとした作りで、現在でもその威容を誇っている。 バクタプールには、これ以外に、大きな鐘、ゴールデン・ゲート、五重塔があるニャタポラ(Nyatapola)寺院、バイラブ(Bhairab)寺院、木彫と金属彫刻の美術館のあるダッタトレヤ広場などがある。この町は田園に囲まれた静かなたたずまいで、訪れる者を虜にして離さないであろう。

バクタプールはカトマンズ盆地にあるネワール族の三つの町の中で一番ポピュラーかもしれない。ここにはマッラ王朝時代(12世紀から18世紀)ネワールの人々の建築と彫刻の傑作がある。1934年の大地震で、数多くの寺院や僧院、民家が被害を受けたが、今なお、世界に誇れるネワールの技術の高さを見ることができる。煉瓦敷きの通りを歩いていけば、いたる所にある小さな寺や像を発見することができる。また、人々が今でも遠い昔と同じように素焼きや織物にいそしんでいる姿を見ることができる。カトマンズから東に14キロ、この静かで落ち着いた町はカトマンズやパタンの喧燥とは対照的である。

カトマンズ盆地には、まだまだここではとても紹介しきれないほどの、文化財がある。ここに来てみれば、世界歴史遺産に指定されたものはほんの氷山の一角にしか過ぎないことが、お分かりになるだろう。ここには町のいたるところに寺院や仏像や、神像があふれている。それらがいつの時代のものか、神のみぞ知り給う。

カトマンズ盆地は、ハイキングにも最適である。ヒマラヤの峰を眺めながら歩くのは、気持ちのいい経験だ。カトマンズにあこがれて、旅にやってきたのはシヴァの神であった。ここは今でも同じ魅力を持っている。神々が楽しむ国、ネパールへようこそ!

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