厳しさの体験

 

 

 

                           校長  友 染 和 子

 10月の声を聞き、子ども達の服装もだんだんと変化し、落ち着いて学習に取り組める季節がやってきました。

9月30日、宮城教育大学(国語科教育)教授の相沢秀夫先生においでいただき、全学級の授業を

参観していただきました。各学年の授業内容は次の通りです。

1年生 (算数科) ポケモンはなんびきだ「ふえたり、へったり」

2年生 (算数科) あたらしい計算を考えよう「かけ算」

3年生 (国語科) 言葉の広場 「くわしくする言葉」

4年生 (理科)  「もののかさと力」

5年生 (国語科) 心の通い合いを読み取ろう「わらぐつの中の神様」

6年生 (道徳)  生命尊重・規則尊重 「村長の判断」

 

相沢先生も時々授業に加わってくださり、子ども達はいつもとは違う授業風景に大ハッスルし、熱の入った姿が

見られうれしく感じられました。また、平日にもかかわらず、フリー参観日として多くの保護者の皆様にもおいで

いただきましたが、どのように受け止められたでしょうか。

 放課後の研究会では相沢先生から「自分の考えを自分の言葉でまとめ

相手に伝えられる力」が、学年が進むに従い育っている事をほめていただき、

また、今後のためにと「稚心を捨て、自立=生きる力、個育て」が大切と

貴重なアドバイスをもらいました。そのためには子どもをもっと「きたえる」こと、

中でも「書く力」を高める事が重要であると力説されました。なぜなら「書く」と

いうことは、まず自分としっかり向き合い、そして自分の考えや思いを伝えるために、

適切なる言葉を選び文章として言葉を組み立てていく事が求められる。このことは

子どもにとってなかなかの負担であるが、回を重ねるうちに抵抗感が少なくなっていく。

これでこそ「書く」力が付いたと言えると。

「児童中心主義」や「子どもが主人公」等の教育用語が聞かれますが、これは当然ながら子どもにおもね、あまったれを受容したりする

事ではなく、身に付けさせたい力のレベルを高く掲げ妥協することなくどこまでも追求していく事にほかなりません。そのためには

教師サイドにどれだけ「高いレベルの子ども像」をイメージできるかに関わってきます。そんなわけで、「書く力」につながる国語科の

音読力(適切な声で、一字一句まちがいなく読む力)を高めたくて校長室での指導を始めたところです。休み時間になると、音読や詩の

暗唱を聞いてもらいたくて子ども達は意気揚々とやってきます。そして合格するとその単元にシールを貼ってあげます。もちろん、

「もうちょっと、家で練習してきてね。」と言う時もあり、ちょっぴりがっかりした表情で帰りますが、再挑戦して合格した時の表情は

とてもにこにこです。何かの励みになればなと思いつつ、私自身の励みにもなっています。