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〜 ビラールのために 〜 (2004年2月20日)

< 病院で > 

次の日、ビラールへのプレゼントをしっかり握ってガザ市に向う。
幸い道が開いていて、夕方には病院に着く。
看護士が先に病室に入り、「ビラール、お客さんだよ」と言ってくれる。私も病室に入ると、ビラールが私の方を見てすぐに笑顔を見せてくれる。びっくりして看護士の方を見ると、看護士は笑って「そう、ビラールの視力が戻ったんだよ」と確認してくれる。

ビラールは大分痩せてしまっている。まだ右手しか自由に動かなくて寝たっきりのままだけど、視力が回復し、食欲も少し戻って、普通に話が出来るようになっている。子どもの生命力って本当にすごいものだ。

まずはハンドパッグに入れといた折り紙セットを引っ張り出す。「何色が好き?」
「青」
青い折り紙を出し、彼の前で折鶴を作ってみせる。
完成した折鶴をビラールに差し出して、
「これ、なんだと思う?」
と聞いてみる。ビラールは首を傾げて、
「・・・アヒル」と答える。
・・・アヒル、ねぇ。でも、アラビア語で「鶴」は知らないから、「まー、そんなところかな」と言う。
そこで、ビラールへの最初のプレゼントを袋から引っ張り出す。ビラールが怪我をしてから毎日、折鶴を30羽〜50羽折って、3週間かけって完成した千羽鶴、いや、千羽アヒル。それを彼の点滴スタンドにくくり付けて置く。




ビラール見舞う由美さん



次はカセット・ウォークマンと今流行りのアラビック音楽のカセット。

そして、一番のプレゼントは最後に。子どもたちのビラールへの想いが詰ったカセット・テープ。ウォークマンに入れてテープを再生する。ビラールは目を輝かせながらテープを聞いている。私に目を向けて、「そっち[みんなの元]に行きたい」と言う。テープの声に耳を澄ませながら、時々「あ、これはイスマイールの声だ」と言ったり、子どもたちが歌っている曲を知っていると、一緒に歌い始める。

「前みたいにフロントラインでみんなと一緒に遊びたいな」とビラールは言う。その日がいつになるかは分からないけど、フロントラインの私たちもみんな、その日を待ち望んでいる。



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