ドメスティック・バイオレンス(DV)を知っていますか?

ドメスティック・バイオレンス(以下「DV」と略)という言葉を最近よく耳にしませんか?
この言葉は「配偶者やパートナーが妻や恋人に対して暴力を振るうこと」、つまり家庭内暴力を指します。
これまで日本社会では「夫婦げんかは家庭の問題で、他人が立ち入るものではないこと」としてとらえられていました。
でも、実際にDVの被害に遭っている女性が、肉体的にも精神的にもどれほど大きな傷を負っているか・・・。
海外の国々から一歩出遅れて今やっと日本もDVを犯罪と認め、対策に動き出しました。
どんな事情があろうとも、人が人を暴力で制することは許されるべきことではありません。
たとえ、二人が婚姻関係にあろうとも、愛を誓い合った仲でも、暴力でその愛を伝えるのは間違っています。
暴力のもとで、二人の関係はもはや「対等」ではありません。
そこにはすでに「支配」が芽生えているのです。

1)DVとは
2)DVのサイクル
3)山形県での相談件数
4)日本では?
5)DV防止法
6)もし自分がが被害者になったら


殴る・けるだけがDVではありません。精神的な暴力もDVといいます

身体的暴力 平手打ち、げんこつで殴る、蹴る、首を絞める、刃物を突きつける、
髪を引っ張り引きずる、タバコの火を押しつける、熱湯をかける、車で引く
性的暴力 したくないのにセックスをさせられる、避妊に非協力、
殴られ・縛られながら暴力的にセックスさせられる、中絶を強要する、
無理やりポルノビデオを見せたり、不快なポーズで写真を撮る
心理的暴力 ばかにする、ののしる、殴るそぶりをして脅かす、外出や電話を細かくチェックする
言葉の暴力 ばかにしたりののしる言葉を使う、個人の人格や女性をおとしめる言葉を使う、
それらを延々と怒鳴り続けたり説教をする、子供に聞かせられないような言葉を言い続ける
経済的暴力 生活費を入れない、酒・ギャンブル・女性で生活費を使い込む、
健康保険証を貸さず病院に行けなくする、財布や定期券を取り上げ通勤・外出できなくする、
殴り顔をあざだらけにし仕事を休まざるを得なくさせる

繰り返されるDVのサイクル

DVのサイクル(1〜3を繰り返す) 加害者 被害者
1 開放期
(暴力の反動で女性に愛情をそそぐ?時期)
女性を大切にしているような言動を取る
プレゼントをする
もう暴力をふるわないと約束する
謝る
変わるのではないかと期待する
約束、謝罪を信じたいと思う
やり直そうと思う
2 緊張形成期
(暴力の前段階)
ストレスがたまり言葉が荒くなり
軽い暴力を起こす
暴力がいつ起こるか緊張する
軽い暴力に対して自分のせいだと思う
大きな暴力に発展しないと信じる
3 暴力が起こる 激しい暴力を起こす
怒りのコントロールが出来なくなる
重度の外傷を受ける
緊張と恐怖でパートナーに従順になり暴力を受け入れる
助けを求めるためにアクションを起こす

山形市女性センターでは市民企画講座として「DVあなたのパートナーは大丈夫?」全2回が開かれた。
第1回はDVに関するビデオを見た後、専門家のお話を聞いた。
第2回は市川信子氏(精神科医)、海鉾博子氏(婦人相談員)、井上博隆氏(山形地方法務局)をパネラーにパネルディスカッションを開催した。
DVを受けている人はぜひ誰かに相談して欲しいこと、相談窓口の紹介、民間シェルターが全国的に数カ所できていることなどが話し合われた。
山形ではまだ民間シェルターをつくる動きはないようである。
以下は講座の内容をまとめたものである。

隠されてきた「配偶者からの暴力」
暴力(たたく、殴る、突き飛ばす、蹴る、刃物を振り回す、刃物で切りつける、首をしめる、たばこの火を押し付ける、物を投げるなど)は犯罪行為。
なのに配偶者からの暴力となると,被害者の救済が必ずしも充分に行われてこなかった。
「法律は家庭のなかにはいらない」とされ、よほどのことがない限り家庭内での暴力は刑事事件にならなかったし、
暴力を振るっても反省して謝るがまた暴力をふるう…という周期があったり、
暴力を受けつづけると女性が自ら外部に助けを求める力がなくなったりするからだ。
ここ数年DV(ドメスティック・バイオレンス,家庭内での暴力)が深刻化。
山形県福祉相談センター(婦人相談所)でDV関連の相談件数は平成10年度72件、平成11年度61件に対して、平成12年度は113件と倍増している。(平成13年5月30日付読売新聞)

日本にDVはない?
多くの人が、なんとなく「DVは外国の問題で身近にはない」と思い込んでいないだろうか。
2000年2月に発表された国の男女共同参画室の「男女間における暴力に関する調査」では4.6%の女性が命の危険を感じるくらいの暴力を受けたことがある、と答えている。
20人に1人、という数字である。
そして「自分さえ我慢すれば、何とかこのままやっていける」「自分にも悪いところがある。」「相談するほどのことではない」
「相談しても無駄」「恥ずかしくて誰にもいえない」等として誰にも相談しなかった人が、具体的な暴行被害を受けた人の40.9%であった。

「DV防止法」
また、今年10月13日「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」が施行された。
いわゆる「DV防止法」である。

警察へ通報 暴力の制止、被害者の保護、被害発生を防止する措置
配偶者暴力相談支援センターへ相談 医学的・心理的カウンセリング、一時保護、自立支援
裁判所へ保護申し立て(公証人の認証) 保護命令
1)6ヶ月の接近禁止
2)2週間の住居退去(違反者には罰則)

<以上平成13年12月発行、MAんMA21号掲載>


もし自分が被害者になったら

1)気付くことが大事

2)ためらわず相談しよう

女性専用相談窓口
(警察本部広報相談課)
0120-783-142
DV・ストーカーに関する相談
(警察本部生活安全企画課)
023-642-3800
山形県婦人相談所 023-627-1195
女性のための一般相談
(女性センター「ファーラ」
023-645-8077
女性の人権ホットライン
(山形地方法務局人権擁護係)
023-634-9106

3)第一歩を踏み出しましょう

4)日ごろから準備しておきましょう

持ち出し品リスト
・運転免許証
・健康保険証またはコピー
・銀行通帳・カード・印鑑
・生命保険証券
・裁判に提出する証拠品(怪我をしたときの写真・医師の診断書)
・録音や相談者に相談した際の「記録メモ」
・あなたにとって大切なもの
・お子さんが大切にしているもの
・学校や幼稚園の道具一式
・着替え
・常備薬
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・など

5)お子さんは一緒に

6)あなたに出来ることは何かを考えてください

最後に

<以上平成14年3月発行、MAんMA22号掲載>