熱 気 球

ネパールに来た人は誰でも上を見上げてそこるそびえるヒマラヤの峰の姿に息を呑む経験をする。ネパールに来る醍醐味はヒマラヤを見上げる事だろう。そして、トレッキングで更にヒマラヤに近づいて楽しむ事も出来る。しかし、もっとスリリングな事は熱気球で音もなく静かに空から山の間を飛びまわり間近にヒマラヤを見る事ではないだろうか。最近、カトマンズでも熱気球を体験できるようになった。

熱気球の原理はきわめて単純である。その名前の通りに、プロパンガスのバーナーで暖められて空気で気球をふくらませて浮かび上がるのである。その先はほとんど風任せだ。高度はバーナーを調整する事によってコントロールされる。そして風に乗って、目的地を目指すのである。

通常、早朝の風の一番弱い時にスタートする。気球が膨らまされ、とも綱が解かれ、霧に覆われたカトマンズ盆地を後にする。霧の上には眩しい日差しとヒマラヤの眺望が待っている。カトマンズの上空1200メートルから1500メートルの高度に達すると、そこは海抜3000メートルの世界だ。その高さで約15分間、乗客は360度に広がるパノラマを楽しむ事が出来る。ヒマラヤ山脈、そして、下に広がるカトマンズ盆地の景色。この視野の広さは熱気球だからこそ、味わえるものである。

15分後、気球は降下をはじめ、またカトマンズ盆地に戻ってくる。全体で一時間ほどのフライトになる。熱気球は、ネパールで新しく始まった、新しい視点でネパールを、そしてヒマラヤを楽しめるコースである。

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