チトワン王立公園
サガルマタ国立公園
ランタン国立公園
バルディヤ王立公園
シェイ・ポクスンド国立公園
ララ国立公園
マカルー・バルン国立公園、保護地区
スクラファンタ王立野生動物保護区
コシ・タプ野生動物保護区
ネパールの国立公園と野生動物保護区
国立公園入園料:国立公園や保護区に入る場合には、入園料として、1000ルピーをそれぞれの公園の入り口でお支払いください。アンナプルナ地域へトレッキングに行かれる方は、下記の事務所で1000ルピーを支払ってください。Information and Entry Fee Collection Counter of Annapurna Conservation Area Project (ACAP), Sanchay Kosh Building, Thamel, Kathmandu (Tel: 223088 ext. 363).
これらは、各地域の自然保護活動のために用いられます。

チトワン王立公園

面積: 932 平方キロ

場所: チトワン王立公園は、ネパール中央部の南側に位置し、亜熱帯性気候のタライ平野にあるネパールで一番歴史のある国立公園である。この公園は1984年に世界遺産として指定された。

特徴: この公園は、いまだ開発されていないユニークなエコシステムを残している世界的にも貴重なものです。地形的には、チュリア丘陵とラプティ、レウ、ナラヤンの三つの川が形成する三日月湖とその河川敷から構成されています。植生は、およそ70%が沙羅双樹の森林からなり、残りの20%が草原で、後は、川沿いの林からなっています。川沿いの林は主として、khair、sissoo、simalといわれる樹木があります。草原地帯には50種類を超える植物があり、中でもエレファント・グラスと呼ばれるがまの種類(Saccharun)は丈が8メートルになるものもあります。丈の短い種類(Imperata)は屋根を葺く材料として活用されています。

この公園では43種類あまりの哺乳動物の生息が確認されています。その中でも有名なのは、絶滅が心配されている一角サイやトラ、ガンジス・ワニなどです。それ以外には、ガウア(インド野生牛)、野生のインド象、四つの角があるアンテロープ(レイヨウ)、ハイエナ、センザンコウ、ガンジスカワイルカ、オオトカゲ、ニシキヘビ、スイロク(三叉の角を持つ大鹿)、アクシスジカ、ホエジカ、ナマケグマ、ジャコウネコ、ヤセザルアカゲザルの生息が確認されています。

鳥類は450種以上が確認されています。保護鳥ではインドショウノガン、giant hombill、lesser florican、黒コウノトリ、白コウノトリがあります。一般的な鳥類では、クジャク、赤ヤケイ(野鶏)、各種のサギ、青サギ、カワセミ、ヒタキ、キツツキなどが生息しています。バード・ウォッチングに最適なのは3月から12月にかけての時期です。両生類と爬虫類は45種類以上が確認されています。沼ワニ、コブラ、緑クサリヘビ、そして多種多様なカエルとカメが生息しています。

この公園では、野生の動植物の研究が熱心に続けられています。

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サガルマタ国立公園

面積:1148 平方キロ

場所: サガルマタ国立公園は、カトマンズの北東、クンブー地域に位置しています。この公園には、世界一の高さを誇るサガルマタ(Mt. Sagarmatha (Everest))やLhotse、Nuptse、Cho Oyu、Pumori、Ama Dablam、Thamserku、Kwangde、Kangtaiga、Gyachung Kangなどの有名な高峰があります。また、この公園は1979年に世界遺産として登録されています。

特徴: この地域の山々は地質学的に若く、深い谷と氷河谷が山々を刻んでいます。植生は高度によって、低い地帯は松やツガがあります。高度に上がるにしたがって、モミ、桧科のビャクシン、樺、シャクナゲの林があり、さらに上の地帯には低木林と高山植物があり、それより高い所は植物のほとんどない岩地と雪で覆われた地帯となります。有名なシャクナゲは春(4月と5月)に花が咲きますが、花の種類が多いのはモンスーンの時期(6月から8月)になります。

この公園内で見られる野生動物には、ヒマラヤ・タール(野生ヤギ)、ゴーラル(レイヨウの種類)、カモシカ族のヤギレイヨウなどがあります。ユキヒョウやヒマラヤ黒クマも生息していますが、人目につくことはほとんどありません。それ以外には、めったに見ることはできませんが、イタチ、テン、ヒマラヤナキウサギ、ジャッカル、ヤセザル(ラングール)などの生息が確認されています。

この公園内には、有名なシェルパ族が3000人ほど暮らしています。彼らは仏教を信仰しています。ナムチェ・バザール、クムジュン、クンデ、タメ、チャンボチェ、パンボチェ、ポルツェなどに集落があります。彼らの生業は、伝統的には交易と牧畜でしたが、1950年以降ヒマラヤ登山が始まってからは、この地域にも多くの外国人登山家、トレッキングをする人たちがやってきたので、現在では、ガイドなど観光が主要な生業となっています。

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ランタン国立公園

面積:1,710 平方キロ

場所: 中央ヒマラヤに位置するこの公園は、カトマンズから一番近い公園です。公園の範囲は、カトマンズの32キロ北からチベットとの国境までの間です。

特徴: ランタン国立公園には二つの水系の集水域となっています。一つは西へトゥリスリ河へ流れ込むものと、東のスン・コシ河への水系です。

ここには中央ヒマラヤ地帯の高度による気候の変化の典型的な実例があります。地形的また地理学的複雑さと変化に富んだ気候により、きわめて多彩な植生を見ることができます。高度1000メートル以下には亜熱帯森林があり、中山部は温帯性で樫と松の林があります。さらに上に行くと高山性の低木林、草原があり、一番上は岩地と雪に覆われた地帯になります。

樹木は、樫、松(chir pine)、モミ、青松、ツガ、トウヒ、そしてさまざまなシャクナゲが見られます。

この公園の面積の約25%に、多種多様な野生動物が生息しています。野生の犬、レッド・パンダ、ナキウサギ、ホエジカ、ジャコウジカ、ヒマラヤ黒クマ、野生ヤギ、ゴーラル、ヤギ・レイヨウ、アカゲザル、ヤセザルなどが確認されています。トゥリスリ河とボテ・コシ河の渓谷は春と秋に渡り鳥がインドとチベットの間を渡る重要なルートになっており、たくさんの渡り鳥を見ることができます。

この公園内には約45の集落があり、864世帯、4500人が暮らしています。また、約3000世帯(16200人)がこの公園内の木を切って燃料としています。人々の文化は多様なものがあり、民族的にも単一ではありません。これらの人々が何世紀にもわたってこの地域の自然環境を変えてきていることも事実です。

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バルディヤ王立公園

面積 968平方キロ

場所: バルディア王立公園はカルナリ河の東側、タライ平野の中西部に位置しています。

特徴: この地帯はタライ地域では最大の面積を持ち、人間の手が入っていない領域も一番多く残されています。総面積の70%が沙羅双樹の林で覆われており、それ以外の部分は、草原、サバンナ等となっています。従来この地域に暮らしていた1500人ほどの住民は他の地域に移住させられました。公園内にあるババイ盆地は農耕が行われなくなってから、古い植生が復活し、約15種類の植物が復活したといわれています。また、人間がいなくなったために、野生動物の宝庫ともなっています。

ここで見られる動物では、サイ、インド象、トラ、バラシンガシカ、ブラックバック(インド産の中型レイヨウ)、ガンジス・ワニ、沼ワニ、ガンジスカワイルカなどがあります。鳥類では、インドショウノガン、ショウノガン、メシア(silver-eared mesia)、サルス(Sarus)鶴等が確認されています。30種類以上の哺乳動物、200種類以上の鳥類、また、ヘビやトカゲ類の生息も確認されています。

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シェイ・ポクスンド国立公園

面積 3,555平方キロ

場所: この国立公園は西ネパールのドルパとムグ地区の山岳地域にあり、ネパールでは最大の面積を誇る公園です。

特徴: この公園内はうっそうと繁った青松、トウヒ、糸杉、ポプラ、ヒマラヤスギ、モミ、樺などの森林で覆われています。ジュドゥラ川の流域は主にQuercus種の林があります。ヒマラヤに近い地帯は乾燥砂漠に似た気候で、主としてビャクシンやムレスズメ属の花木などの低木が見られます。

主要な動物では、ユキヒョウ、青ヒツジがあります。また、それ以外には、ゴーラル、ヒマラヤ野生ヤギ、ヤギレイヨウ、ヒョウ、オオカミ、ジャッカル、ヒマラヤ黒クマ、ヒマラヤイタチ、ヒマラヤナキウサギ、テン、ヤセザル、アカゲザルなどが生息しています。

また、鳥類の種類も豊富で、ネパールの国鳥であるニジキジをはじめ、各種のキジ、ワタリガラス、ジャングルカラス、ヤマウズラなどが確認されています。

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ララ国立公園

面積 106平方キロ

場所: ララ国立公園は、カトマンズから西へ371キロの距離にあり、カルナリ県のムグ郡とジュムラ郡にまたがっている公園です。ここにはネパールで一番大きな湖であるララ湖(面積:10.8平方キロ、標高:2990メートル)があります。ネパールの国立公園の中では一番小さい公園です。

特徴: この公園は標高1800メートルから4048メートルの範囲にあります。主として針葉樹林で覆われており、特にララ湖の周囲は青松、ビャクシン、ヒマラヤトウヒ、樫、ヒマラヤ糸杉等の林があります。標高が3350メートル以上になると、モミ、樺などの林が見られます。また、マロニエやクルミノキ、ヒマラヤポプラなどの落葉樹の林も存在しています。公園の一角には、ジャコウジカの集団の生息が確認されています。それ以外には、ヒマラヤ黒クマ、ヒョウ、ゴーラル、タール(野生ヤギ)、イノシシなどが棲んでいます。ララ湖では雪マスしか確認されていません。鳥類では、渡りの水鳥、キジ類などが訪れた人の目を楽しませることでしょう。冬には、カイツブリの仲間、、ホシハジロの類を見ることができます。それ以外の良く見かけられる鳥には、セッケイ(雪鶏)、ニジキジ、カリジと呼ばれるキジなどのキジ類があります。

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マカルー・バルン国立公園保護区

面積 2,330平方キロ

場所: ここはサンクワサバ郡とソルクンブ郡にあり、東のアルン川、西のサガルマタ国立公園、北のチベットとの国境、南のサウネ山地に囲まれた地域にあります。

特徴: この地域はネパールでも一番自然保護が厳しく守られている所で、他の地域では失われてしまった豊かで、ユニークな動植物が残されているのが特徴です。

この公園も標高によって、植生の変化を見ることができます。標高1000メートル未満の地域は主として熱帯性気候で沙羅双樹の森林があり、1000から2000メートルの標高では、亜熱帯性気候でSchima-Castanopsisの林が見られます。更に4000メートルまでは亜高山性の気候帯で、モミ、白樺そしてシャクナゲの林があります。それ以上5000メートルまでは、高山植物があり、ハーブやシャクナゲ、ビャクシンの潅木林があります。また、47種類のランが確認されており、商品価値のある薬草や香草が67種類確認されています。ネパールにある30種のシャクナゲのうち25種があり、19種の竹、15種の樫、86種類の飼料用植物、また48種類のサクラソウも確認されています。鳥類では400種以上が視認されています。その中には今までにネパールの他の地域では確認されていない二種類の鳥、チメドリとツグミ属の鳥も含まれています。動物は、レッド・パンダ、ジャコウジカ、ヒマラヤ黒クマ、ヒョウ、未確認ですがユキヒョウがあります。それ以外にかなりの数が生息していると思われるのは、ゴーラルとヒマラヤタール(野生ヤギ)、イノシシ、ホエジカ、ヒマラヤマーモット、イタチ、ヤセザ ル、ヤギレイヨウなどがあります。アルン河では48種の魚が確認されています。最後にこの保護区には32000人の人口があります。

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スクラファンタ王立野生動物保護区

面積 305平方キロ

場所: この保護区はネパール最西部のカンチャンプル郡にあります。

特徴: 主として沙羅双樹の森林で覆われており、屋根を葺くために用いられる種類の草の草原が特徴です。

ここには、バラシンガジカが2000から2500頭あまり棲んでいます。それ以外では、インド象、トラ、剛毛のあるウサギ、青水牛、ヒョウ、アクシスジカ、イノシシなどがいます。鳥類は200種あまりが確認されており、多くは草原の鳥ですが、珍しいインドショウノガンの存在も確認されています。また、沼ワニ、インドニシキヘビ、オオトカゲ、などの爬虫類、アマガサヘビ属のコブラ、ネズミなどを食べる大型のヘビも生息しています。

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コシ・タプ野生動物保護区

面積 175平方キロ

場所: この保護区は東根パールのサプタリ郡とスンサリ郡にまたがっており、サプタ・コシ川の東岸と西岸に挟まれた氾濫原が中心となっています。

特徴: この地域は、毎年のモンスーンの時期に10センチから3メートルもの深さの洪水で完全に水没します。また、サプタ・コシ川は年毎に氾濫するためにその流れが変化するのです。

植生は主として丈の高いkharpaterの草原で、一部にkhair-sissooの低木と落葉樹があります。

動物では、最後と思われているアマと呼ばれる野生水牛が約100頭生息しています。また、アクシスジカ、イノシシ、シカ、青牛なども棲んでいます。

またこの保護区では、入漁券を発行しており、地元の経済に貢献しています。また、食用果物やワラビ、ぜんまいなども取れます。

280種の鳥類が確認されており、中でも、20種類のカモ、2種類のトキ、コウノトリ、シラサギ、アオサギ、ヤマウズラインドショウノガンも生息が確認されています。

コシ川に設置されている堰は、渡り鳥の貴重な中継点となっており、ここにはネパールの他地域では見られない多くの種類が確認されています。

コシ川では、絶滅の心配があるガンジスワニ、インドカワイルカの生息も記録されています。

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